私は嘘で出来ている。

「え?なんで?」


「やっぱり…知ってる人と一緒に働くのは恥ずかしいし。他のお店当たってみる。あと、このことは誰にも言わないで欲しいの」


「ちょっと待って!」


自分でも驚く程、きっぱりとした口調で言った。


「さっきのママね、私の実の父親なの」


「え」


「で、私はただのバイトじゃなくて、この店の後継者なの」


「あ、だから面接を市河さんが…」


「そういうこと。この業界、有本君よりは長いんだから。私だって有本君に知られてちょっと恥ずかしいんだよ。てか、この業界にいたら恥ずかしい場面なんて腐る程あるんだから。何も気にしないでよ、ね?」


有本君は少し黙って


「…ありがとう。よろしくお願いします。」


学校では見たことの無い笑顔で言った。