時刻は10時。

「そんじゃっ!いっきまっすかーいっ♪イェーイッ!!フーフー!!」

「え、う、うん…」

若干、羅々のテンションに引いた(笑)

羅々の掛け声で寮を出て、神田とともにブランド店へいざ出陣!

暫く走って着いたブランド店は、母様がよく訪れている有名なお店。
母様のお気に入りのお店だし、きっと可愛い服が沢山あるんだろうなぁ…。やっぱり…楽しみ。

私が立ち止まっていると、自動ドア目掛けて突撃する羅々。

あ、危ねぇよ…(汗)

「うっわぁ〜!!超かわい〜いっ♪」

流石は羅々、乙女的行動を取るな。

そして私もお店の方の笑顔に会釈して、服を手に取る。

「うわ、これ…シルクだ。やっぱり素材が良いのが良いよね…」

なんともおばさん的発想の持ち主の私。

「昴様。シンプルな物と派手めな物、多種多様ございますが、わたくしはシンプルな物が宜しいかと…」

神田は、私にシンプルなドレスを勧める。

皆、話が噛み合ってないし。

「シンプルかー…確かに、派手だと主催者の方に失礼だよね。相手はあの銀山様だし」

あれ、でも銀山様のところって、着物のほうが良いんじゃないの?

「はい。あ、申し遅れましたが、今回は立食パーティーですので、ドレスを」

なるほど。だからか。

それから私達は、あれこれと選んでは試着を繰り返す。