「はふーいい湯だったぁ!!」

ぽっとした頬で、羅々が気持ちよさそうにそう呟いた。

「だね。本当にいい温泉だったよ」

私もにっこりと笑った。

「あっ、す〜ちゃん知ってる?」

羅々は浴衣なのに、小走りでロビーのガラスに近付いた。

「?」

私も羅々の後を追うと、

「ほらっ」

ロビーのガラスはドアで、外に繋がっていた。

「うわ〜…綺麗…」

「でっしょー!!雪の絨毯でしょー??」

そこは、一面に雪が降り積もった銀世界。
その雪に優しい明かりが当たって、キラキラと反射している。
私はあまりの綺麗さに、ただ見とれてしまった。