クイクイッ
ん?
誰かが私の服の袖を引っ張る。
目線を上げると雪梛で、小声で、
「はやく座んねぇーと、乗務員とか他の人に迷惑だぞ。面倒なら、俺達2人でいいだろ?」
それもそうだ。この言い争ってる人達はおのおので座ればいいんだよ。
私は納得し、真ん中が私、窓側が紫雲、通路側が雪梛という順で座った。
言い争っていた奴らは、
「「(ちっ…んだよ、あの2人。いいタイミングで横取りしやがってよ)」」
「雪梛…やりますね(怒)」
3人は、2人にいつか復讐してやると心に誓った。
菫は、
「(ん?あれ?場所取られちゃった)」
軽く落ち込み、珠輝は、
「(コイツらの反応た〜の〜し〜い〜♪)」
目を三日月型にし、口元を軽く手で押さえて笑いを堪えていた。


