アラタと羅々が蘇生し、もう季節は冬。

街はクリスマス一色である。

カップルが街を歩き、ベタベタしている姿は、あの『バカラブカップル』を思い起こさせるわけで…

ただいま私は、ファミレスで…そのバカラブカップルの相手をしている。

周りの席にはカップル。
目の前にはバカラブカップル。
正直言って……くそ面倒くせぇ。

「ねぇ!す〜ちゃんってば、聞いてんのっ!?」

凄まじい形相で金切り声をあげる羅々。

「昴っ!聞けって!」

私と向かい合わせなので、テーブルをバシバシ叩き、身を乗り出してくるアラタ。

私は小さく息を吐き、

「聞いてるよ…」

そっぽを向いて呟いた。