「アメリカはとてもいいところだった。だから私は少しずつ…微笑むことが出来るようになった。だから、日本に戻って来たの。だけど…宝来高校には辰志がいた。神田に調べさせたら、あのときの男の子だってわかった。ほんっとに最悪だと思ってた。…でもね?辰志や皆と過ごす時間が楽しくて…『本当の仲間が持てた』って…そう思うようになったの。辰志とは正直、仲良くはなれないと思ってた。だって、小さい頃だって言っても、酷いことを言われたんだから」
辰志の顔が悲しそうに歪む。
「だけど…辰志は憎たらしいことばかり言うけど…やっぱりいい人だと思った。だから…本当に…あのときの男の子なのかなって…思うように…なった…ふぅっ…」
また涙が溢れてきた。
辰志がゆっくりと私を引き寄せ、抱きしめる。


