そういえば私、妹さんの名前聞いてない。

私は辰志に引っ張られながらも、妹さんについて聞くことにした。

「ねぇ辰志の妹さんって何て名前?」

「あ?…巳子(ミコ)だけど」

へ〜…巳子ちゃんか。
かわいらしい。

「なんでんなこと聞くんだよ」

辰志が不思議そうに眉を寄せる。

そりゃもちろん…

「私が桜木財閥の次期後継者だって知ったとたんに豹変した杏さんと志紗さんに、土下座をされて、気まずい雰囲気から寅志さんに助けてもらって…お礼を言おうとしたら、辰志が私を引っ張ったから…色々忙しくて聞く暇がなかった」

長々と説明すると、辰志はちょっと赤くなり、

「…ンだよ…そーゆーことか。つか、後で巳子と話せばいいだろ」

恥ずかしそうにそっぽを向いて、首までの短めの襟足を触った。

「はいはい〜」

なんか赤くなって…面白い(笑)



そうやって、たわいもない話をしながら、辰志の部屋に着いた。