「はぁ…キレイな月だな…」

私は、寮のテラスにでて、さっきまで行われていた体育祭のことを考えていた。

私が対抗リレーで、1位だった結果…見事、私達の青ブロックが優勝!

もちろん、MVPは私。

学食1年間無料券と、寮にひとつ好きな家電製品をプレゼントしてもらえるらしい。

家電製品っていっても…ココ、そろいまくってるから何にしよう?

想像をふくらませていると、ノックの音がして、私はそちらに振り返った。

「あ…昴…」

そこにいたのは、紫雲。

「あれ?どうかしたの?」

私がそう聞くと、少し言いづらそうに言葉をつまらせる紫雲。

「ね、眠れなくて…あの…その…一緒に寝よ?」

は?

「え。眠れないの?なんで私と寝るの?」

首を傾げた。

「(むっ無自覚…っ…)す、昴と一緒だと安心する…から…」

へ〜…なんか、お母さん気分?

「寝よ?昴」

上目使いでそういってきた紫雲に、胸が鳴った。

なんだ?これ?

「でも…紫雲が寝たら帰るよ?」

「俺、昴の部屋で寝るから大丈夫…」