学校も終わり、寮へと帰る。

羅々と紫雲は、私の後ろで何か喋ってる。

コソコソと、小声で。

「紫雲ってば、よくここにこれたね〜?す〜ちゃんおってくるなんて…さすが♪」

「昴のこと、もっと知りたいって言って、頼んだ。校長…優しい。父さんも認めてくれた」

なんか2人してニヤニヤニヤニヤ。

え、紫雲…まさか、羅々が好きなの?

だから私を追ってきたのか。
私と友達になれば、紫雲が羅々に近づけるし…って、ん?でも羅々にはアラタが…!!

あぁ〜わけ分かんなくなってきた。

ガチャッ

「ついたよ」

後ろを振り返っても、まだ話してる2人。

気づけよ。そんなに夢中なわけ?

まぁいいや。

私は自分だけ中に入り、ドアを閉めた。

「えっ…なんで閉めるの?」

「…………?」

昴の微妙な気持ちを知らない羅々は、焦り、疑問を投げかけていた。
紫雲は、無声を貫いていた。