甘い香り

朝になった。

あたしたちは病院を出て
涼ちゃんと共に自宅に帰った。

叔父さんはあちこちに電話をかけていて
とても忙しそうだ。

あたしは涼ちゃんのそばから
動けなかった。

じっと見つめている。

実のところ、食事もあまり取っていない。

でも不思議とお腹は空かなかった。

そんなことを考える余裕もない。