すべての部屋の明かりを消し、
最後に涼香の部屋を覗く。

(…よく、眠ってる。)


寝顔はとても安心しきっている。


その時。

「うーん…むにゃむにゃ
…涼ちゃん…だいすき…」

涼香の寝言さえ愛しい。

涙が滲む。

(…ダメだ、
泣かないって決めたじゃないか。)

自分にそう言い聞かせると、

「おやすみ、涼香。
良い夢を…」と呟いて
涼香の部屋を後にした。