甘い香り

その時。

リビングに戻るお兄ちゃんの姿が、
急に視界から消えた。

(えっ…?)

あたしは慌てて
お兄ちゃんの消えた方向へ走った。

お兄ちゃんはその場に倒れていた。

「お兄ちゃん…!」

あたしは慌てて助け起こす。

お兄ちゃんは苦しみながら
荒い呼吸を繰り返している。

鈴華さんもあたしの声を聞いて
側にやってきて、驚いている。

あたしは落ち着いて、
テキパキ処置をして落ち着かせる。

もう手慣れたものだ。