お兄ちゃんが下へ降りてから
どれくらいの時間が経っただろうか?
微かに、言い争う声が聞こえる。
お兄ちゃんと、鈴華さんかな…?

あたしは気になって、
恐る恐る階下へ降りていった。
段々声が大きくなっていく。

「…だから!
もう戻れないんだって!
何で解んないんだよ…。」

「私は納得行かないわ。」

「あのな…。」

お兄ちゃんは呆れてため息をついた。
あたしは更に近付いて、部屋の入り口まで
歩を進めた。