「梨乃は女の子なんだから、ね?ほら」 軽く背中を押す。 「…お兄ちゃんが歌ってくれたら、帰ってもいいよ」 「……、」 それって結構恥ずかしいんだけど。 でも、梨乃って結構頑固だし、多分言う通りにしないと帰んないよな…。 …仕方ない、1曲くらいならいいか。 「じゃ、久しぶりに」 場所を取って構える。 真っ直ぐな目を見ないようにした。