意識がだんだん遠のいてく。


さっきまでのモヤモヤとした気分がウソみたい。



今はもう、何も考えられないや…。




「…加奈子」



そしてあの温かな感触は
きっとわたしの、夢のせいだったのかな。



どんどん深い眠りへと落ちていく頭の中



ふと目の前に現れた
わたしの、想像の中の翔に



突然ギュッ…、と


まるで息が出来なくなりそうなくらい


キツく、強く


抱きしめられた気がした…――。