――バタン!



大きく扉の閉まる音がして、誰もいない二人きりの廊下。


壁へ手をついたまま、苦しそうに息をはくわたしに

横にいた翔はとつぜん背中を向けたかと思うと、スッと床へ片ひざをついた。



「え…?な、なに…?」

「保健室まで連れてってやるから。早く乗れよ」



耳を疑うような翔の言葉に、わたしの心は動揺する。



…えっ…?


の、乗れって

いきなり何言ってるの…?


だって、これって

つまり、翔におんぶされて行くってことだよね?


そ、そんなのやだ…。


出来ない…!