「ど?痛い?」

「ッ!……って」


三浦さん

ばんそうこうとか
常にポーチの中に入れて、いつも持ち歩いてるんだ…。


まだこの高校に入学してきたばかりで
三浦さんのことあんまりよく知らないし、分からないけど


周りに他の男子たちが大勢いるにも関わらず

真っ先に翔のところへ駆け寄って行ったし

何度も翔を心配する様子や、気遣うしぐさとか見ていると

きっと周りをいつも良く見てて、色んなことに気を配れて
すごく気が利く人なんだろうなって思う…。


でも…

でもだからって、今は翔がケガでうまく手が使えないにしても

わざわざあんな…
みんなが見ている前で二人、くっ付かなくたって……


(……ん?)


人目を気にすることなく
さっきから堂々と密着して話す二人に

思わずムッとした気持ちでその様子を遠くから見ていると


ふいに翔と目が合った気がして
わたしはパッと下を向く。