「どーやったら
今そこで尻もちどころか、前に突っ込んでコケる事ができんだろうね…」

「(ムカッ) だって!立ち幅跳びって、見てるよりずっと着地がムズかしいんだよ?
ってゆーか、そこまで言うんなら詩織があたしにお手本見せてよね!
意外とむずかしいんだからね!これ!」

「はいはい」


そう言って


その言葉通り

詩織ちゃんは軽々と、砂の上を通り越して跳び、すんなりと着地してみせた。


あさみちゃんは口をあんぐりさせてる。


しかも今の跳びが
何気に詩織ちゃんの「自己最高新記録」って言うから、さらにスゴい…


…さ、さすが、元陸部。

部長をやっていただけあって、その実力も本物だ…。



「ど?少しはイイ手本になった?」

「ぎぃー!ぐやしぃー!!」



ぜったいぜったい、負けないんだから!!


仲がイイんだか悪いんだか

今ので相当カチンと来たらしく、あさみちゃんはますます意気込んで練習してる。


そのまま闘志に燃える
あさみちゃんの姿を、横でアタフタとフォローしていたそのとき


「ねぇ、見てよあれ……」


男子たちがいるグラウンド側をしきりに見つめて

何やらヒソヒソと話す女の子たちの声がした。