この時なぜだかふと、翔のことが頭に浮かんで

わたしはとっさに顔をあげ、翔の姿を探す。


そのまま一人きょろきょろしていると

突然後ろから誰かに肩をつかまれてビクッ!とした。


「!」

「加奈子。おまえ番号、いくつだったんだよ」

「…えっ?」


ビックリして振り返ると、そこに立っていたのは翔。

肩をつかむなり、クジ番号が何だったのかを唐突に聞いてきた翔に、わたしの目が泳ぐ。


「ど、どしたのいきなり…」

「いーから」


わたしの声を無視して、翔がズイとこっちに近づいてくる。


そのままジッとこっちを見おろしてくる翔に、わたしは後ずさりしながらも

しぶしぶ、小さな声でボソッと口を開いた。


「わたしは1班、だったけど…」

「……」

「翔は…?」


何班だったの…?


とっさに顔をあげてそう尋ねると

翔はいきなりムスッとして、握りしめてクシャクシャになったクジの紙くずを、無言でわたしの前に突き出してきた。


そんな翔の態度に疑問を感じながらも、わたしは翔からそれを受け取ると、中を開く。


すると、そこに書かれてあった番号は……