「ほら!!全部あたしに言ってみ?」
誰もいない小さな公園のベンチ。
横に座る梓は髪を耳にかけながら顔を傾ける。
「実はね・・・・。」
由里は、すべてを打ち明けた。
先輩とお昼ごはんを食べてること。
先輩にドキドキしちゃうこと。
「由里、こんなこと初めてだから、どうしたらいいのかわからなくて。」
そう言ってうつむく。
「クスッ。」
え?
見ると、梓は声を押し殺して笑っている。
「梓?」
「ふふっ。ごめんごめん。
由里もなかなか、やり手だなぁって思って。」
にやりと意味深な笑みをこぼす。
「やり手?」
もう一度聞き返すとその通りと言うようにうなずいた。

