病んでいても愛したい。



ほつれたガラクタ。
壊れかけを表現する赤い人形。鉛筆書きの世界にはひどく不釣り合いで。



六枚目。


私はその人形を抱いていた。



「……」


「い、十六夜……っ」


絵の意味を理解する猶予はなかった。


十六夜が私を押し倒す。


馬乗りになり、耳を舐められた。穴にざらりとした感触が執拗に感じられて虫酸が走る。


神楽と同じ重み、温もり、姿をしているくせしてやっていることは本当に別人だ。


十六夜の息が荒くなる。


好き、好き好き好きとメモ帳の言葉がそのまま息に代わったみたいだ。


息を吐く分だけ十六夜は私を感じ、私を求める。


繋がれた手錠がガチャガチャ言ったけど、指を握られて身動きできなくなった。