そんな“彼女の世界”に入ってしまった私。
四枚目には、黒い人形を抱いた私がいた。
ちょこんと座り、黒いものを抱える人。
鉛筆でぐりぐり塗りつぶされただけの人形だった。
抱える私はなぜか裸。
黒塗りの人形で上手いこと隠せているみたいだが、胸(Dカップ)が忠実に再現されているためにかなりギリギリな一枚だ。
五枚目に移るころには十六夜は私の耳たぶを甘がみしてくる。
さすがに驚いて画用紙帳を落としてしまった。
開いた画用紙帳。
五枚目と六枚目が見開きの状態となる。
四枚目からの連作。
黒塗りの人形がなくなり横たわる私。変わりに違う人形が歩いてきたようで。それは赤い人形だった。


