器用に片手だけで上から二番目の引き出しの中身を探る。
出したのは画用紙帳。
幼稚園児がもっていそうな感じで、実際に『みんなのおえかき』とファンシー動物が一緒に表紙を飾っていた。
十六夜がまた定位置に戻る。腕をくっつけ、見てみてとはしゃぐように画用紙帳を渡された。
開く、一枚目には私の顔。頭から鎖骨部分まで。
うまかった、百点満点をあげたいぐらいに。
鉛筆だけで書いたんだろう、荒くも繊細でいい味がでている。似ているのが一番うまいと感じる。
「へえ」
「……」
私の耳たぶをいじる十六夜を横目に二枚目。
次は生き物と私がいた。
これも鉛筆書き。
生き物は蛇、横にいる私よりデカいとなるとかなりの大蛇。現実にはいない生き物で私はその大蛇と向き合っているみたいだった。


