でも拒否すれば十六夜がするのは傷ついた心を体に“創作”すること。
いくら十六夜の意識でも体は私の大切な人のだ、傷つけたくはない、死なせたくもない。
そのために私は十六夜がやることを拒みはしなかった。
厄介だった。
深には相談したが、神楽自身には言えない。
言ったら、神楽が傷つくような気がして。
別の奴が恋人を愛し、肝心の恋人もその好意を拒まない。嫌だろう、そんなのは。
いつかは言わなきゃいけないけど、まだ時期じゃないと今はこのままだ。
「……」
十六夜が手を離して何かを持ってくる。
メモ帳とペン。
それと、手錠。
床にあった鍵――滝君が置いたのだろうそれで柵にかかった手錠を外して。


