ランラランラと機嫌良さそうに十六夜が手を揺らしたり、強く握ったりする。
私はと言えば、されるがまま。
ここで変な拒絶をすれば、十六夜は錯乱するから。
十六夜について話ならば、私が一番怖がる子。
十七歳の女の子。
男が嫌いで、男たる自分の体を斬りつけたい衝動があるらしい。
なぜそんな衝動があるのかと深に聞いたことがあって。
『昔な……ああ、わりい、やっぱいいたくねぇ。察してくれ。殺したいほど、しかも自分を切っても構わないほど男が嫌いなんだ。理由なんか分かりそうだけどな。神楽にとっても最悪なことだ。事の発端はあれから始まったかもしんねえ』
話を濁しても、大きなヒントをくれた深。
分かったからこそ深くは聞けなかった。
昔、神楽にとっても十六夜にとっても苦痛たるもの。
確信はないが、惨い場面が想像できた。


