「イザヨイがあいたがってる」
「でも出ないでしょう。深が言っていたよ、十六夜はまったくこっちに帰ってこないって。……帰ると決まって暴走するからって」
「きーちゃんがいればへいきだよ、きーちゃんはやさしいから」
「平気じゃないよ、十六夜も私も……」
顔をうつむかせて、自分の手を見る。
心配した滝君が下から私を見上げた。
「て、いたいの?」
「ううん、大丈夫。そうだ、お腹すいていない?なにか作るよ」
「おなかいっぱいなの」
「何か食べたんだ」
「おきたらねケーキがあった。イチゴとチーズ。タルトでさくさくふたつあって」
言いかけて、あっと滝君が止まった。
「どうしたの?」
「ケーキ、ふたつだった……」


