(三)
病院に行ったあと、私は神楽の部屋に戻ってきた。母親の運転があったためにだいぶ楽ができた。
神楽の部屋は四階、エレベーターがないのでキャリーバックはゴロゴロできずに手で持つ羽目に。
重い、詰めすぎたかもしれない。
休み休み歩いて、やっとこさついた神楽の部屋。鍵を開ける。玄関先に靴がないことから、神楽はまだ仕事らしい。……ああ、今は深か。
中に入り、キャリーバックの中身を出そうとしたけど――家主がいないのではどこにしまっていいかが分からない。
クローゼットが妥当だろうけど、そこまで図々しく私の私物を入れるわけにもいかないだろう。
神楽が帰ってくるまで物の整理はお預けにした。リビングの隅に放置して、ソファーに座る。


