* * *
半日ぶりの我が家に帰宅した。
二階建ての当たり障りない作りの普通の家。
お母さんが開けたのか鍵は開いていた。
「ただいま」
そう言って、玄関先で油の匂いをかぐ。
じゅーという音までキッチンからしていた。
スリッパをはかずに、冷たい廊下を歩きキッチンまで。
「おかえり」
赤いエプロンをしたお母さんがフライ返し片手に出迎えてくれた。
「ただいま。ごめん、連絡しなくて」
「お母さんは心配しました」
敬語を使い怒っているようだけど、いつもの優しい音では怖さも感じられない。
「なに作ってるの?」
「目玉焼き。朝ご飯食べたの?」
「まだ」
「じゃあ食べなさい。ほら、ご飯とかわけて持っていって」


