人ごみは嫌い。
神楽ほどじゃないけど、自分から人がいる場所に行こうとは思わない。
目を軽くこすり、瞼が重いのを感じる。
眠いわけじゃない、虚ろなんだ。
時折、自分が生きている――立っていることを疑問に思う。
なぜ、私は生きているんだ。
そう思った後は、暗い世界に沈んでいく。
ふらふらはしないが、足から力が抜けていくよう。
虚脱感。
生きているのに、生きている実感が湧かない。
時が過ぎるのが億劫で、意欲が秒針に持っていかれるようだった。
「……」
ぼーっとした状態。
バスが来て、やっと動けたようなもの。
無人に近い車内。
椅子に座り、流れる景色を目に入れていく。


