「汚くなんかないよ。神楽以上に優しくて、温かい人を私は知らないし。汚かったとしても、神楽ならいい。神楽と一緒に汚れても構わない」


「ありがとう」


目を閉じる。
恐らくは彼も目を閉じているだろう。


視覚が閉じたことにより、他の五官がよく働く。


匂いとか触感。
全部、私が好きな人のものだ。


「そういえば、もう一日経ってるよ」


「一日?……、ああ、深でも出てたか」


目を閉じながら、寝る前の会話を少しだけ。


「明日はずっと神楽でいてほしい」


「必ずそうするよ。俺もそうしたい」


「昨日と今日とベッド中でしかきちんと会話してないよね、私たち」


「そうだね。なんだか、ロマンチックな感じしないか?」


「ベッド中だけの恋人が?私は嫌だよ。寝ても覚めても一緒にいるのがいい」