首を振れば、申し訳なさ満点の顔をされた。
「あー、その、だな」
「深は気にしなくていいよ。それよりも、病院に行こう。付き添う。神楽帰ってくるまで、そばにいたい」
「ああ、分かった分かった」
しゃーねえかと立ち上がる深。ふらりと長身が揺らぐ。
私が立って体を支えれば、何とか踏みとどまる。
「運転できるの、タクシーは?」
「んな無駄遣いしたくない。また縫うようなら金かかるし、今月やばいんだよなぁ。薬増えたし」
「また……」
「腹痛がひでぇの。ま、来月辺りには一種類へっからいいけど」
棚上のカギを手に、財布をポケットに詰め込んで深はふらふら歩く。
こけはしないが、何か危なっかしい。


