意を決して実家に向かうと

何故かそこには

元気に笑っている

親父の姿があった。









『え…親父…』



『おぅ!!光!!』



『おぅじゃなくて…

入院したんじゃ…』






『あぁ。

熱射病で一日だけな??』










…なんだよこの親。




『なんだか一人で

周りのお家回って

仕事してたら

熱射病で倒れたらしいのよ。



まぁでもお父さんも

無事だったし、

光も久し振りに

帰ってきてくれたし。

いいんじゃないの??』







嬉しそうに言う

母親がいた。







『いゃ…でも

俺仕事戻れるんなら

戻りたいし…』






『…まぁそう言うと

思ってたけどね。』






退塾を塾長に

申し出たときの

゙いつでも戻ってきなさい゙

という優しい言葉を

思い出したのだ。






でもやっぱり

苦笑しながら言う母親に

親不孝者で

申し訳なく思った。




『じゃ…一週間

ここにいるから。』





『はいはい。

気を使わなくてもいいけどね。

まぁいてくれるなら

嬉しいことに変わりないわ。

じゃ部屋片付けとくからね』






そんなこんなで一週間。


家の前に広がる

緑を見て

…矢口のことを考えながら

過ごした。