…おっきな口をあけて

笑うとこ。




わからないとこは

決して諦めず

絶対に理解するまで

塾から…俺のそばから

離れないとこ。






友達を大事にするとこ。






…身の周りばっか

着飾っている

そこらへんの

女たちとは違う。








…多分俺は

矢口のことが

好きなんだな。







実家に向かう電車の中で

そんなことを思った。









…かといって

代々地元でやってきた

会社の社長である親父の

メンツを潰すわけにはいかない。








親父が倒れた今、

一人しかいない子供の俺が

自分のわがままで

会社を潰すことは出来なかった。