でもさすがに… 勇気のない俺は これ以上のことは 出来なかった。 唇を離すと 彼女は 夢から さめたような 顔をして もとの助手席に座った。 …まずい。 ああ。 もうどうして こんなことをして しまったんだろう。 でも さっきまでの時間を 消すことのできる ような能力は 俺にはない。