俺は
こいつが
親から見捨てられて
辛いとき
そばにさえ
いてやれなかった.
話さえ
聞いてやれなかった.
…矢口のそばにいたい.
矢口に逢いたい.
矢口に触れたい.
矢口の笑顔がみたい.
どれだけ
想ってきただろうか.
いままで
俺は
俺の中の本当の気持ちから
逃げていただけなんだ.
反対に
彼女を失ったら
俺が
どんなにもろく
くずれさってしまうか
わかっていたから.
だけど
やっと逢えたこの
再会を
…無駄にはしたくない.
…俺がこいつを
守ってみせる.
そう決めたとき.
「…えっ…か…川田せんせ?…」

