KAREN SIDE




塾を出たところで

強引に腕を掴まれる。







『はなして…!!』







『なぁ、どうしたんだよ??

俺何かしたか??』









…したよ。

気づいてないの??










…でもね、分かるんだ。





自分が

なにムキになって

当の本人に当たって

いるのか。







そしてそれが

どれだけ

幼稚な行為なのかって。









『…話せよ。』








『…』










そう言われても

何をどう話せばいいのか

わからない。






でも口からでたのは

こんなことだった。








『…今、美咲と

付き合ってるんでしょ??』










『…えっ??

なんでそれ…』






『やっぱりそうなんだぁ。

そっかぁ

美咲良かったなぁ!!


川田先生のこと

大好きだったみたいだから。』









言いながらだんだん

自分の視界が

涙でぼやけていくのが

わかった。





泣いちゃいけない。




そんなことをしたら

私の本当の気持ちが

悟られて

しまいそうだったから。




そのとき。