「どこのキャバ嬢だ?」



頭の真上から声が聞こえた。


閉じていた目を開けて、上を見上げた。



そこにいたのは、髪を少し切った拓登だった。




「鈴音・・・・・・同じ日に髪切るんじゃねーよ!」



拓登は、後ろの髪は長いままで、サイドの髪を短くしていた。




色も前よりも黒くなっている気がしたけど、帽子をかぶっていたからよくわからない。




「俺の場所に勝手に座ってんじゃねーよ」




「いいもん。ここも私の場所だもん」



あきれたように笑った拓登。




「似合ってる?」



「ケバくなった。ババアみたい」





拓登は予想通り、いじわるを言ってくれる。



誉められるよりずっと心地いい。