1時間半。 私は綾と同じ髪の色になった。 茶色じゃない。 ベージュでもない。 何色とも言えない不思議な色。 さっきまでの痛んだ髪が嘘みたい。 サラサラの髪になった。 「綾と同じ色だ~」 「鈴音、また大人っぽくなったね。これでこの辺ブラついてたらすぐ声かけられるよ」 綾の言った通り、私達は美容院を出てすぐに声をかけられた。 適当に断りながら、例のホテルの1階へ向かう。 最後の下見。