私は拓登の向かいの自分の場所に座り、拓登をじっと見つめた。



まだ数回しか会っていないのに、私は拓登のことを完璧に信じ切っていた。





拓登は裏切らない。


拓登はそこらへんの男とは違う。




「あ、やっと来た」




眠っていたことを誤魔化すように、しっかりした口調で拓登が言う。




「寝てたんだろ。女みたいにかわいい顔して眠ってた」



「うるせーよ!!」




ギターを地面に置いた拓登は、私をにらみつけながら立ち上がった。




「なぁ、お前さ。普通、あんな話したら次の日にここに来るのが普通じゃねぇの?」




何か怒ってる?


にらんでも、顔がかわいいから怖くない。