―友情―





「今さら後悔してんの?鈴音は、やっぱり恋愛に慣れてないね」




机に頭をくっつけて、ため息ばかりの私に綾が言う。



痛んだ茶色だった髪が、綺麗な栗色になっていた。





「だって・・・・・・ 怖かったし」




私は、あれから美容院にも行っていない。


家で自分で染めたわりには、まあまあ綺麗に染まっているけど。





「やっぱり私がいないとだめだね~、鈴音」



「そうだよ。綾がいなかったから・・・・・・ だから、わかんなかったんだよ」





あれから、何度かあの場所へ出かけたけれど、拓登の姿はなかった。



でも、私のハンドタオルが消えていた。



ただ風で飛ばされただけかもしれないけど、小さな希望を胸に抱く。