担任から1時間目をここで過ごしていいと言われた。 私と綾は、保健室でふたりきりで話した。 骨ばった綾の手を握ろうとすると、綾はサッと手を隠す。 「汚い手だから」 綾はそんなことを言って、私から目をそらした。 「綾、何があった?」 「ごめんね。鈴音に連絡したかったんだけど・・・・・・」 しばらく沈黙が続いた後、綾は言った。 私の声を聞くと、あの日の記憶が蘇るから電話できなかったと。 綾は、あの計画の日から、自分が悪魔になったようだと言った。