「じゃあ、今までの仕返しってことで、聞こえるような声でエッチしちゃおうか」




冗談で言った拓登の言葉に、本気でドキドキしちゃってる私。


だめだなぁ、私。



「ば、ばか!!」




拓登のお尻を叩きながら、家までの道を歩く。





「ちょうどいいから、一緒に話してもらおうかな。前に拓登が言ってたじゃん?今までお父さんに感じていた気持ちとか全部話せって」




お父さんに言いたいことも、聞きたいこともたくさんある。



まずは・・・・・・綾のお母さんとのこと。





やっぱり、ホテルに行ったってことは、エッチしたってことなのかな。





「お父さん変わってくれたのに、話すのか?」



「うん。変わった理由がわからないから。またいつ戻るかわかんない」



「そうだな。この際、全部ぶちまけちゃった方がいいかもな。俺がいて邪魔じゃない?」





拓登がいてくれたら何でも言える気がした。




ひとりだったら、絶対に泣いてしまう。




過去のことを思い出すのはとても辛いから。





私はずっとひとりぼっちだった。




私の居場所は、本当になかったんだ。






ずっとずっと長い間。