髪を乾かしていると、背後にお父さんが近付いてきた。



「邪魔なんだけど」


「ちょっと話せるか?」




真剣な顔で私に話しかけてきた。




何?



計画がバレたとか?


怒られんの?





念入りに髪を乾かしてから、椅子に座る。




「いろいろ考えた結果、佳世さんにはしばらく自分の家に帰ってもらうことにした」




予想外の展開。



コーヒーカップを何度も握り直すお父さん。



顔も見たくないほど憎かったお父さんなのに、急にそんなこと言うから調子が狂う。



「なんで?お父さん浮気でもしたの?」



「ははは。ひどいな。そんなんじゃない。お前も、佳世さんが一緒だと何かと気を遣うだろう」