「ねぇ、拓登・・・・・・どうして家出したの?」



「・・・・・・俺の居場所がないから」



「私と同じだね」



「そうだな。俺には血の繋がった両親がいるってのにな」






それ以上突っ込んだ質問をしていいのかどうか迷っていると、拓登から話してくれた。




「今は、高校時代のラグビー部の先輩の家に転がり込んでるんだ。ギター始めたのもその先輩の影響でさ。勉強ばっかりの生活の中で唯一のストレス発散だった」




意外だった。


拓登の体がそんなに大きくない。


ラグビーって雰囲気じゃなく、どちらかと言えばバスケとか。



それに、勉強ばっかりの生活って言ったよね。



拓登・・・・・・

勉強してるんだ。





「拓登ってお坊ちゃん?」



「違うよ。バカ息子。出来の悪いどうでもいい息子・・・・・・」





私と拓登は居場所がない。



でも、全く違う境遇なんだと感じた。