お願い神様。




拓登の恋人になりたいなんてぜいたくは言わないから、ずっと拓登の大事な人でいたい。




拓登が結婚しても、おじいちゃんになっても、私だけは特別な存在でいたい。




ずっと大事に想っていて欲しいんだ。






だって、拓登がいなくなったら私の居場所はなくなるんだよ。







「あのね」




私は、今日の涙のわけを話し始めた。





肩に回された拓登の腕は、思っていたよりもガッシリしていた。




幼く見えるけど、ちゃんと“男”なんだね。






私と綾の家庭環境。


不満が募っていたこと。


綾が考えた計画。





その計画を、今日実行したこと。





拓登は、優しく相槌を打ちながら聞いてくれた。