― Summer Drop ―

「あ、えっと……飛澤さん?な、そやろ!?」

二人のうち一方と目が合うと、指差される。


「そうやけど?」

その態度と馴れ馴れしさに

不機嫌さを隠し切れない返答になる。

それに千夏としては、試合を見ていたかった。



謙太は当分の間、打席が回ってこないが、

謙太のいる場所から目を離すと

それだけで落ち着かない。

東中学校の二人も、謙太がベンチにいることがわかっているからこそ

こうして話しているのだろうけれど。