― Summer Drop ―

「つきこ、ごめん……」

受話口ではなく、すぐ傍で声がして朋子はそちらへ向く。

「千夏!?……どしたん、その顔!?」

いつもと違う低い声にも驚いたが

千夏の顔を見て一瞬言葉に詰まった。

泣き腫らしただろう目の下には

くっきりと隈が浮かんでいる。


千夏が来ればすぐに電車に乗るという予定を変更して

駅前のファミリーレストランに入った。