― Summer Drop ―

「だってあたし野球そんなに興味無いもん。
どっちかって言ったらサッカーの方がすきやし」

飛澤千夏は辰雄の今日三度目になる台詞に、うんざりした顔で返す。

「ええけん来てくれって。オレが初めてスタメンで出る試合を千夏は観んのか!?」

辰雄は怒ったような、悲しいような、なんとも情けない顔になる。

「心底どうでもいいよ」

「…ちかあぁ……頼むよー」