― Summer Drop ―

「……………辰雄?」




ムクの頭を撫でていたのは

ジャージ姿の辰雄だった。

「千夏……。」

少しだけ

辰雄の表情が曇った。



「……ムク、久しぶりに会ったわ。散歩か?」

「うん。……辰雄はランニング中?」

「おぅ……。」


昨日のことがあるので

少し気まずい。