― Summer Drop ―

辰雄は本屋から出たところで

雨が降っていることに気づいた。




「やべっ。はよ帰らんと……。」

自転車に乗り

駐輪場から道路に目を向けた時、

道路の反対側で

千夏が誰かと歩いているのが見えた。